過去の逮捕記事がネット上に残っている…!?削除・消す方法とは?

インターネットが普及した現代において、人々が最も手軽に・スピーディーに情報収集できるのがネットニュースです。
今はニュース系アプリも沢山ありますし、気になる情報があれば検索エンジンにキーワードを入力するだけですぐに結果が出てきます。専門的なことや数十年前の出来事であっても即座に調べられるので、本当に便利な世の中になりました。

しかし大勢の人が便利になった反面、一部の人にはそれが不利益をもたらす原因になっています。例えば、ある事件の被疑者として逮捕され、それが実名報道されてしまった人たちです。
もちろん世間を騒がせるような事件であった場合は新聞や雑誌などでも報道されます。
ですが紙媒体と違い、ネット媒体は転載や引用が簡単にできてしまうこと、拡散力が高いことがハンデとなり大きな不利益を生んでしまうのです。
そのためもし、逮捕時の実名入り記事がネット上に残ったままになっている場合は、早急に対策を取る必要があります。

なぜ逮捕記事には実名のものと匿名のものがあるのか?

事件が起こりその被疑者が逮捕されると、報道機関は原則として実名で報道します。
そして少年事件など一部を除き、実名報道をするか否かの明確な基準はないそうです。
しかし殺人などの重大事件や社会的影響のある事件ならばわかりますが、稀に痴漢や万引きなどの軽微な事件でも実名報道されることがあります。

例えるなら、「有名人が万引きで逮捕された」「大企業の役員が痴漢で逮捕された」「教員が盗撮で逮捕された」というような場合は実名報道されることが多いです。
しかし一方で、普通の会社員や主婦がこのような事件を起こしても実名報道どころかニュースになる可能性も低いです。

一体なぜか?理由は簡単。前者のような社会的地位のある人や公務員が事件を起こした場合、人々からの関心が集まりやすいからです。
報道機関は原則として公共の利益のために報道しているので、被疑者の知名度や職業によっては実名報道されるケースが高くなるわけです。

逮捕記事の拡散で起こり得るリスクについて

有名人でなくても一般人、例えば公務員や上場企業の会社員であっても実名報道される可能性はあります。
ちなみに犯罪を起こして逮捕されたからといって、必ずしも有罪になるわけではありません。仮に逮捕されても起訴されず、不起訴処分となった場合前科は付きません。
(逮捕されたことは事実なので逮捕歴や前歴は付きますが、刑事裁判にて有罪判決が確定しない限り前科歴とはなりません。)

しかし一般的には、前科者になったことよりも逮捕者になったことの方が注目を集めやすいです。裁判は時間がかかりますから、刑が確定する頃には世間の関心が薄れているパターンはよくあります。しかし逮捕はセンセーショナルな出来事のため、報道されると一気に関心が集まります。そして逮捕記事が出ると5ちゃんねるやまとめサイト、個人ブログ、SNSなどあらゆる媒体に拡散され、後日不起訴処分になったとしても削除や非表示にされることは滅多にありません。

そして拡散された逮捕記事は、ある時ふと見つかってしまう可能性があります。
それは就職希望先の採用担当者であったり、恋人や知人であったり、勤め先の上司や取引先の社長など様々です。
そのような身近な人たちが、実名の書かれた逮捕記事を見ればどうでしょう?まず間違いなくイメージダウンしますし、嫌悪感を露にする人もいるでしょう。

一度悪いイメージが付いてしまうと、それを覆すのは非常に困難なのは言うまでもありません。その上不起訴処分であっても逮捕されるようなことをしたのは事実であるため、元の状態に修復するのは難しいでしょう。

逮捕記事をネット上から削除するにはどうすればいいか?

このように一度逮捕記事がネット上に出れば、あらゆる媒体に転載・引用されて広がっていきます。そして逮捕された本人がどれだけ被害を訴えても、それで削除が認められるケースはほとんどありません。
そのため、ネット上に実名入りの逮捕記事が出回っている場合は、それを対処できる専門家に任せるのが得策です。

①弁護士に相談

メリット:依頼者の代理で削除請求が行える。仮処分の申立てなど法的措置を取ることも可能。
デメリット:費用がかかる。削除が認められないこともある。

弁護士は本人の代理で削除請求が行える上、場合によっては法的措置を取ることも可能なため応じてもらえる可能性は高いです。
特に不起訴になっていることや、事件から概ね3年以上が経過していること、執行猶予または実刑判決を受けた場合でも事件から10年以上が過ぎており、且つ社会復帰もしている場合などは削除請求が通りやすいでしょう。

②誹謗中傷対策業者に相談

メリット:削除できない案件も対策可能。ネガティブ要素を排除し、代わりにポジティブ要素を増やすことが可能。
デメリット:根本的に削除するわけではない。法的措置は不可能。

誹謗中傷対策業者は、ネット上のネガティブサイトやネガティブキーワードの除外を専門とする業者です。あくまで目的は「除外」であるため、削除という意味では解決には至っていません。
しかし、事件からさほど時間が経過しておらず削除が認められない場合や転載が多すぎる場合は、その根底である検索エンジンに対策を行えばいいのです。
検索順位を下位に押し下げて見つけられないようにすれば、それはある意味非表示と同じ扱いだと思います。

最後に

インターネットが普及した今、逮捕記事が出ると瞬く間に拡散されてしまいます。
中には事実無根のことをわざと書く人や、実名から住所や勤め先を特定して嫌がらせする人もいるでしょう。そうすると、「逮捕された」ということを知られる以上の悪影響が及ぶ危険性が出てきます。

いつでも誰でも簡単に情報を入手・発信できてしまう時代だからこそ、実名が報道された時は迅速かつ適切に対処しなければなりません。
もし、「ネットの逮捕記事のせいで日常生活に影響が出ている」という場合は、これ以上被害が増幅する前に専門家へ相談することをおすすめします。

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